高田渡が、逝きました。
泣くなんて小さなこと
ため息つくなんてつまらないこと
だのにこのふたつの
大きさをとりかえとりかえして
男も女も死んでゆく。
高田渡が訳詩したものだけど、
この詩がそのまま、彼の事をおもう私にそのままかえってきます。
サヨウナラ。楽しい酔っぱらい。
楽しいフォークの世捨て人。
私が最後に見たあの人は、
「すかんぽ」という詩の歴史について辿る彼でした。
彼は哀愁を持ってして唄っていたのに、
元の曲はなんともコミカルで、笑いのネタになっていた。
その文化の差に、拍子抜けして、
自分が描いてきたものはなんだったんだろうかと、
とまどっているあの人の顔が忘れられません。
世をはかなむ心を持つ高田氏。
そんな彼を支持する人は多かっただろうけど、
大半が彼を必要としない、この世が
ちょっぴり窮屈になってしまったんでしょうか。
ひょいと、私達の世界からいなくなってしまいました。
そのうち私もそっちの世界に赴くことになるでしょう。